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zoom RSS 2006年のアニメのまとめ(3)

<<   作成日時 : 2006/12/29 02:50   >>

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前回前々回と2006年のアニメについて作品の個人的な評価とどのような作品が売れるかをみてきたが、今回は、ネット配信の観点で2006年のアニメを振り返ってみたい。

ここ数年、「機動戦士ガンダムSEED」、「交響詩篇エウレカセブン」などテレビで放送された後、それほど時を経ずにネットでも無料配信されるアニメがあったが、去年から今年にかけてそのようなアニメの数が増加しているように思う。また、Gyaoではテレビで放送後、数ヶ月で無料配信されているアニメもある。特に、去年から今年にかけては、富野由悠季監督や高橋良輔監督といった有名監督の新作(「リーンの翼」、「Flag」、「幕末機関説いろはにほへと」)がネットで先行配信されるなどネット配信の注目度は高くなっているように思う。これらは、正式な配信にあたるが、今年は特に、YouTubeにおける違法アップロードが話題となった。

YouTubeは2005年に作られたばかりのかなり新しい企業ながら、手軽に動画を投稿・視聴できることから爆発的なスピードで知名度を増し、2006年はじめからは、日本でも急激なスピードで認知されるようになった。YouTubeは、本来は投稿者が自ら作成したビデオを公開する場ながら、音楽プロモーションビデオやTV番組など、多数の著作権違法コンテンツがアップロードされたことで多くの人の注目を集めることとなった。特に、みたいときにみたいコンテンツを無料で手軽に視聴できるというオンデマンド型のTV視聴を望むユーザーの要求を満たしたことが大きな成功をもたらしたのだといわれている。

一方、違法コンテンツのアップロードで著作権の権利をもつ企業から強い批判を受けたYouTubeだったが、今年に入り、多数のコンテンツ企業との提携を打ち出した(たとえば、ここなどを参照)。また、世界最大のSNSであるマイスペースでは、有名・無名関わらず広く音楽アーティスト自らが楽曲を投稿する(たとえば、ここここなどを参照)などSNSサイトでの音楽提供が広く行われるなど、動画投稿サイトの合法的な利用の方向がある程度模索されている一方、日本では、一部メディアがYouTubeを利用しているが、JASRACを中心に大量の動画削除要請を行ったり、著作権侵害防止の具体策の提示を求めるなど、強硬路線が目立っている。

アニメ業界でも、YouTubeへの批判は強く、多くのコンテンツを持つ企業が削除依頼を出すなどの対抗処置をすすめる一方、企業業績の悪化をYouTubeやWinnyの影響と発表する企業まで現れた。

他方では、アニメの放送が週60本といわれる現状では、アニメの放送枠を確保すること自体が難しく、視聴区域の限られるUHF局での放送が増加し、前々回の記事でもみたように今年は特にUHFアニメが話題となった年であった。そのような中での「涼宮ハルヒの憂鬱」の大ヒットなどは、むしろYouTubeなどのおかげで多数の視聴者を得たことが大きいと思われる。もともとは、テレビで無料で放送されているコンテンツなので、YouTubeなどで視聴されたとしても、DVDを買いたくなるほどのコンテンツを提供すれば、ヒットにつながる可能性はあるといえるだろう。著作権が無断で利用されている現状は必ずしもいい状況とはいえない(特に日本の優良コンテンツが海外で無断で使用されている現状は非常にもったいない状況といえる)が、ネット配信による視聴が広まれば、ネット配信自体である程度の利益を得る構造を構築したり、ネット配信で多くのアニメの視聴が難しかった地方のファンを取り込んだり、過去の作品からも利益を得ることができれば、むしろ大きなビジネスチャンスとなる可能性もある。前回の記事でも書いたが、いずれにせよ少子高齢化の中では、ファン層の拡大が急務であるといえる。

ここでは、(他人事なので)実現可能性などはあまり頓着せずに、ひとつのネット配信の形を提案してみたい。

まず、日本でADSLがYahoo! BBの低価格戦略で急激に普及したように、日本におけるアニメのネット配信によるビジネスが成功するか否かは、割安感を感じさせるものを提供できるかどうかにかかっていると思われる。割安感を感じさせるものとして、すぐに思いつくのは、

(1)定額制の導入。ほとんどの過去作のみならず、TV放送された作品がTV放送と同時にネット配信されるようにする。

(2)低額での日数制限などのないダウンロードの実現。

といった方法である。(1)はテレビ局単位で定額制とするのか、どこの制作などによらずにほとんどのアニメをひとつのサイトで管理(バンダイチャンネルに近い形)しアニメチャンネルとしてネット配信するのか、あるいは制作会社ごとにそれぞれのコンテンツを配信するのかによるが、実現するにはいくつものステップが必要のように思う。その点(2)の方が近い未来で実現可能だと思われる。

現在は、有料無料を問わず正式にネット配信されるものでもダウンロードができない方式をとっていたり、ダウンロード可能でも数日しか視聴ができないような方法が採られている場合がほとんどである。これは、真にダウンロードを可能とすると現在の収益の柱であるDVDの売り上げに大きな影響が与えられる可能性を憂慮しての結果だろう。一方、アニメDVDの値段は、定価では1話分にして2000円を超える商品が大多数であり、全26話のアニメのDVDを集める場合にはかなりの出費となるため、多くのファンがDVD購入をためらっている現実がある。やり方次第では、低額ダウンロードで、視聴者を増やしながら、そういうファンをうまく取り込むことができる可能性があるのではないかと思う。

具体的なビジネスモデルとしては以下のようなものとする。

(1)TVでの放送と同時にインターネットで無料ストリーミング配信を1週間行う。配信では、TVと同様にCMをつけるとともに関連商品の販売サイトへのリンクも張り、複合的に利益を得る方法を探る。

(2)すでに配信した過去の話については1話X円(たとえば100円)で1日 or 1週間の視聴を可能とする。

(3)(1)で無料ストリーミング配信を開始すると同時に1話Y円(たとえば500円)で1Mbps程度のDVD画質に劣る動画のダウンロードを可能とする。このとき、違法アップロードを防ぐため、ダウンロードされる動画には、何かしらデータを埋め込むことで誰がダウンロードしたものかわかるようにする(個人の使用に限定する範囲ではバックアップをとることは許す)。

(4)英語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語などのファンサブグループを買収もしくは提携することで3日以内に字幕付きの動画を作り、日本と同様に1週間 or 日本の配信と重ならないように4日の無料配信と日本での価格に順ずる価格で、有料で過去の話の視聴やダウンロードを可能とする。このときあくまでもこれは、「ファンサブクオリティ」だということを明記する。

が主な手順で、注意としては、

・(2)で作品を気に入ったファンには、X円(たとえば100円)払った(2)の有料配信中期間に限り、追加で(Y-X)円(たとえば400円)払うことでダウンロード可能とすることで、ダウンロード数の増加を見込む。

・(3)では、まず、放送と同時にダウンロード可能とすることでファンの熱があるうちに収益に結びつけることを目指す。DVD購入をためらっていたファンを取り込める値段設定を重視する。また、DVDとは明確に差のあるものを提供する。低画質に加え、バンダイチャンネルでは右下にバンダイチャンネルのマークが出るが、このように、マニアにとっては不満となるような点が残るものを提供する。DVDでは、高画質で、テレビで放送されたものに手を加えたものを提供し、映像特典やおまけを充実させることで、繰り返し高画質で見たいファンやキャラの固定ファンを確保する。

・(4)で全世界に配信することで、大きな利益を目指す。特にダウンロードが多かった地域では、DVDの販売を検討する。

といったところだが、いずれにせよ違法アップロードに対して厳しい処置がとれる前提でのビジネスモデルではあるだろう。

現在のところ、某社が主張するような違法アップロードによってアニメのDVDの売上が減少しているという説得的な調査結果は得られていないように思う。すくなくとも、違法アップロードは視聴者の拡大にはつながっているはずだし、その中の何割かは、DVDを購入しているかもしれない。とはいえ、違法アップロードがはびこることで、もしアニメ事業の収益が減るような事態になれば、制作サイドも十分なクオリティの作品を提供することができなくなる。これは、ファンにとって一番困る状態だ。制作サイドもファンもどちらにとっても有益なビジネスモデルの構築が求められているのだと思う。

(後記)
当初は「N・H・Kにようこそ!」と「BLACK LAGOON」の最終話の感想も書いてなかったので、それらをかねて2006年のアニメのまとめを書こうと思ったのだが、はっきりと整理しないまま書いていると、次から次に書くことが増え結局3回に分けて書くこととなった。本当は、一般のマスコミでも取り上げられるようなアニメーターの苦しい生活や、海外発注についても取り上げたかったのだが、これ以上長引かせるのはどうかと思ったので、今回はこの辺で。まあ、いずれにせよ自分としては、人生を豊かにするような良質なアニメが作られ、(視聴が制限されるUHF局などの放送ではなく)多くの人にみれる環境を作って欲しいという希望が底にあるわけで、そういう希望に沿った文章となっていると思う。

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